2009年3月2日月曜日

【書評】新宗教ビジネス

もはや、私が言うまでもありませんが、あきらかに今、世界はターニングポイントに入っています。人々の価値観、ビジネスモデルが、激変していってるのではないでしょうか。


そして、消費意欲の低迷が、テレビや新聞などで報道されています。統計を取り始めて以来最低の水準になっているそうです。


世の中がそんなムードになると、自分も不思議と「モノが欲しい」と思わなくなります。


これからしばらくは「体験」であったり、「スピリチュアル」「精神」といったキーワードが重要になると予想しています。工業製品よりも、サービスが台頭してくるのではないでしょうか。


そして、最強のサービス業が、宗教だと思うのです。私は無宗教なのですが、宗教のビジネスモデルには、以前から興味があります。参考になる点が沢山あります。


最近読んだのは、こちら。





この著者の本は何冊か読んでいますが、宗教団体を偏見を持たずに、冷静に分析しているので、とても参考になります。


それにしても、新宗教のパワーは圧倒的です。


その資金力は凄まじく、真如苑が武蔵村山市と立川市にまたがる日産工場跡地を購入した金額はなんと739億円。


同教団が、海外に流出し、オークションにかけられた運慶作の大日如来坐像を15億円で購入した話はニュースにもなったので、記憶にある方もいるのではないでしょうか。


その資金源はもちろん信者。

P101-新宗教のビジネス・モデルとしては、(1)ブック・クラブ型、(2)献金型、(3)スーパー・コンビニ型、(4)家元制度型の四つのタイプが存在することになる。

このように、ビジネスモデルは、タイプ分けすることができます。例えば創価学会は、ブック・クラブモデル。聖教新聞や、書籍の出版などを中心に課金するモデルになっています。

P66-このブック・クラブの中心には、名誉会長の池田大作が位置している。書籍は池田のものが中心だし、「聖教新聞」でも、池田の幹部会などでのスピーチや、海外の機関、大学などからの顕彰が大きく報じられる。その点では、組織全体が池田のファン・クラブの様相を呈している。

創価学会のモデルが秀逸なのは、幹部に余剰金が回らない仕組みになっていて、利権争いが起こらない。その結果、他の教団ではお金が余ると頻発する、「分裂」や「分派」を防ぐことに繋がっているそうです。


そして、これからの流れはone to one、crmのような、個人のニーズに合わせたサービスを提供できる、宗教が主流になるのではないかと著者は予測しているようです。


おすすめの一冊です。



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